バングラデシュ

バングラデシュはベンガル湾に形成されたデルタ地帯にある国です。頻繁に発生する洪水、サイクロン、竜巻による森林破壊、土壌劣化、侵食被害に悩まされています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

バングラデシュでは、2011年度からNGO「オイスカ」がマングローブ植林活動を進めています。バングラデシュでは避けることができないサイクロンの災害被害を減らす対策として、マングローブ植林が現地自治体や住民から熱望されています。

  • 2023年度の植林面積 38ヘクタール
  • 累積植林面積 340ヘクタール

マングローブ植林活動状況

バングラデシュ南東部のマングローブ植林活動では、地域の特性に応じた樹種選定や植栽方法を採用しています。比較的土壌が安定しているコックスバザール県モヘシカリ郡ドルガットの植林地では、採取したマングローブの種をそのまま直播きします。発芽が確認できない場合は、ポット苗などを使って補植します。この2段階方式により、3~4年後には小規模ながら林が形成されることが期待されています。

一方で、コックスバザール県モヘシカリ郡マタバリの植林地は、砂浜が多いため通常のマングローブが育ちにくい場所があります。そこでは、地盤を安定させる効果を持つ準マングローブであるモクマオウの苗を植えます。

なお、近隣住民にも1,000本の苗を配布しました。マングローブが将来のサイクロンのリスク軽減に寄与することを期待しています。

直播きに適したマングローブの種を選別している様子

マングローブの種を直播きしている様子

マタバリの植林地に植えたモクマオウの苗木

植林地の様子

今年植林したマングローブは、活動から2カ月が経過した後も、多くの種が発芽して成長を続けています。こうしたマングローブの成長の状況を把握するため、モニタリング作業も継続して実施しています。

植林活動から2カ月後の植林地では、多くの種から発芽して成長を続けています

植林現場で森林局オフィサーとともにモニタリングしている様子

マタバリ地区シャッパラ村の責任者との打ち合わせ

今後の活動予定

次年度は、ドルガットでマングローブを30ヘクタール、マタバリでモクマオウを5ヘクタール植林する予定です。