マレーシア

マレーシアのボルネオ島サバ州では、国全体の50%弱に相当する面積のマングローブ天然林が分布しており、このうち約93%は保護林に指定されています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

マレーシアでは、2011年からNGO「国際マングローブ生態系協会(ISME)」が、サバ州森林局の協力を得ながら、植林事業を進めています。1990年代にタンニン採取や薪炭材の利用、油ヤシの植栽のために天然のマングローブ林が不法伐採されたため、荒廃したマングローブ林を再生することを目的に植林活動を実施しています。絶滅が危惧されるテングザルなどの野生生物を保護したり、生物多様性を保全したりする観点からも重要な活動です。

  • 2023年度の植林面積 33ヘクタール
  • 累積植林面積 493ヘクタール

マングローブ植林活動状況

サバ州森林局の職員6人から成るマングローブタスクフォースチームが中心となり、33ヘクタールの植林地に21,738本のマングローブを植えました。

Pulau ISMEでの植林用のポット苗ⒸSFD-ISME協働マングローブ植林プロジェクト

Pulau ISMEで植林している様子ⒸSFD-ISME協働マングローブ植林プロジェクト

植林地の様子

2023年7月、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて中断していた関係者会議が、4年ぶりに再開されました。今回は札幌で開催され、サバ州森林局のKugan局長をはじめ、17人の職員が来日しました。会議のほか、仙台で津波被災地における森林の防災効果を視察しました。

また、2024年2月にはISMEの職員らがサバ州コタキナバルを訪れ、第20回事業実施委員会を開催しました。そこでは本年度の植林活動についての報告とともに、マングローブの植林も実施しました。

マングローブ林のCO2の吸収量は、環境条件や構成樹種によって異なるため、サバ州のマングローブ林でも正確な測定を行う必要があります。このため、サバ州のサンダカン近郊のSepilokで、CO2吸収量の測定と長期生態系調査のための調査地設定に関する調査を行いました。

サバ州森林局の職員と当社社員との集合写真ⒸSFD-ISME協働マングローブ植林プロジェクト

Sepilok Lautのマングローブの天然林ⒸSFD-ISME協働マングローブ植林プロジェクト

Sepilok Lautの天然林にいた、赤ちゃんを抱いたオランウータンⒸSFD-ISME協働マングローブ植林プロジェクト

今後の活動予定

2023年度は33ヘクタールに植林しましたが、面積に対して植林本数が少ないため、今年度の植林地内での植林を継続します。また、新規に20ヘクタールの植林も実施する予定です。