海岸林の管理

海岸林は貧栄養な土壌でも成長し、塩害にも強く、根が深いという特徴を持っています。以下に、代表的な海岸林の樹種であるクロマツの特性について詳述します。

クロマツの特性

クロマツは、特に貧栄養な立地条件でも生存できるマツ類の樹種です。砂浜の乾燥、高温、塩分を含む強風などの過酷な環境条件に対して、広葉樹には見られない強い耐性を持っています。塩害に非常に強く、直根を深く伸ばし、強風にも耐えることができます。

抵抗性マツ

抵抗性マツとは、マツ枯れ(マツノザイセンチュウ病)に対して耐性を持つように開発された品種です。マツ枯れは、マツノザイセンチュウという外来線虫がマツノマダラカミキリなどによって運ばれ、マツ類を枯死させる病気で、国内において依然として大きな被害をもたらしています。
クロマツの海岸林は非常に有用ですが、マツ枯れの影響を受けやすいため、抵抗性マツが開発されました。しかし、完全に感染を防げるわけではなく、感染しにくいだけです。そのため、抵抗性マツの導入後も慎重な監視が必要で、松くい虫被害の減少には継続的な対策が重要です。

クロマツの成長

クロマツは1年に1節ずつ成長するため、観察することで樹齢を知ることができます。クロマツを見かけたら、是非確認してみてください。

海岸林の再生について

東日本大震災では、巨大津波が発生し、多くの被害をもたらしました。海岸林も甚大な被害を受け、再生が復興に不可欠です。
海岸林は津波対策として、防潮堤と併用されることが期待されています。今回の震災を受け、防災施設としての役割がより強調されるようになりました。海岸林は津波の波力を減少させ、漂流物を捕捉する役割を果たします。しかし、その再生には時間がかかり、長期的な取組みが必要です。
再生の取組みとしては、クロマツを中心に植栽し、健全な海岸林を育てることが重要です。これには、適切な管理や基盤整備が求められます。具体的には、根が地下水に触れるのを防ぎ、緊縛力を高めるための盛土による生育基盤の確保や植栽・本数調整伐(間伐)などの管理が行われています。
なお、東京海上日動では、海岸林再生を支援するとともに、ボランティア活動を実施しています。詳しくは、 こちらをご確認ください。