Malaysiaマレーシアのボルネオ島サバ州では、国全体の50%弱に相当する面積のマングローブ天然林が分布しており、このうち約93%は保護林に指定されています。

マングローブ植林活動レポート

マレーシアでは、2011年からNGO「国際マングローブ生態系協会(ISME)」が、サバ州森林局の協力を得ながら、植林事業を進めています。1990年代にタンニン採取や薪炭材の利用、油ヤシの植栽のために天然のマングローブ林が不法伐採されたため、荒廃したマングローブ林を再生することを目的に植林活動を実施しています。絶滅が危惧されるテングザルなどの野生生物を保護したり、生物多様性を保全したりする観点からも重要な活動です。

マングローブ植林活動状況

2018年度は、Sg. Weston(Weston川)の植林地にフタバナヒルギとウラジロヒルギダマシを植えましたが、このエリアではテングザルによるベニマヤプシキへの食害が報告されているため、ベニマヤプシキの苗を育て、移植を試みています。マングローブ林とテングザルが、共存できることが大切です。
マングローブの植え方は、それぞれの植林地の環境を考慮して、変えています。例えば、Sg. Westonでは、Sonneratia caseolarisというマングローブの成長が早いため、植える間隔を広く取っています。一方で、ヤギからの食害の恐れがあるSg. TBRCでは、あえて密度を高くして植えています。


2012年に植林したSg. ISMEの様子


2010年に試験植栽したマングローブが10m近い高さに

植林地の様子

2013年に植林したSg. Mattangarでは、マングローブが順調に成長し、モモタマナの樹高が約10mに、オオバヒルギやフタバナヒルギも樹高数mに達していています。
2012年に、東京海上日動の職員によりマングローブが植林されたSg. ISMEでは、鬱蒼とした立派なマングローブの林が形成されています。サバ州森林局の研究者により、定期的に生物多様性の調査が行われています。
また、サバ州森林局とともに、スラマン湖のマングローブ保護林の再生も開始し、サバ州全体で植林地は23カ所となりました。この場所はリゾート建設により、スラマン湖にアクセスする道路が建設されたことで、水が停滞してしまい、国有林であるマングローブが枯れてしまったのです。2019年3月末には、都立科学技術高校の生徒が植林を実施しました。同じ場所で2019年8月には、東京海上グループの社員等が植林活動を実施しました。


2013年に植林されたSg. Mattangarの様子


2012年に東京海上グループのボランティアにより植林されたSg. ISMEの様子


スラマン湖のマングローブ。道路の建設によりマングローブが白く枯れてしまった

今後の活動予定

2019年度以降は、1年で35ヘクタール、5年で175ヘクタールの新規植林を予定しています。また、これまで以上にマングローブ林の管理や生長量調査・生態系調査にも注力していく予定です。