Thailandタイでは、第二次世界大戦後、スズの採掘、エビの養殖場や船着場の造成、炭作りなどの開発により天然のマングローブ林が伐採されてきましたが、ラノーン県ではこれまでの植林活動により大きなマングローブ林が広がっています。

マングローブ植林活動レポート

タイでは、1999年よりNGOオイスカがラノーン県のマングローブ資源開発局の協力を得て、地元住民のみなさんの参加に重点を置いたマングローブの植林活動を実施しています。住民のみなさんはマングローブ林についての理解を深め、その大切さを実感し、多くの人が自主的に植林、補植の活動に参加するようになってきました。今後は保全活動の一環として、植林地のマングローブの種類や樹高、生物多様性などについて調査することにも力を入れていくことにしています。

マングローブ植林活動状況

タイ南部のラノーン県におけるマングローブ植林プロジェクトは、1999年からスタートしています。これまでに1,100ヘクタールを超えるマングローブ林を再生して、豊かな生態系を取り戻してきました。
現地の住民が活動の主体となってプロジェクトを推進してきた結果、現地にもマングローブ植林活動が普及し、マングローブ林を再生し保護するという認識が広がってきました。この結果、政府機関・民間団体・学生や地域住民など、多くの団体や一般人がラノーン県のマングローブ植林活動に参加するようになりました。
そして、ラノーン県の政府や県民、海洋沿岸資源局が協力して、マングローブ林の世界遺産認定に向けて動き始めました。2018年から、マングローブ林についての広報活動を積極的に取り組んでいます。


2014年の植林地では、マングローブが4~5mに成長


地域の住民が集まって植林している様子


世界遺産認定を目指していることを公示する看板

植林地の様子

再生されたマングローブ林では、たくさんの生物が確認されるようになりました。そこで、この森の「生物多様性」について、カセサート大学教授であり漁業専門家の、デチャ・ドゥワンナーモン博士が調査を行いました。
マングローブ林の構成について調査した結果、オオバヒルギやフタバナヒルギをはじめ、30種の樹種が見つかりました。また、植林地の泥地では、カニや貝など14種類の生物が発見されました。さらに、植林地周辺の水域では、クラゲやイカ、エビやカニなど無脊椎の生物が60種類、ハゼなど有脊椎の生物が55種類も見つかりました。他にも鳥類が69種類、昆虫が146種類も確認されるなど、本当に多くの生物がマングローブ林の周辺に棲んでいることがわかりました。
特に、植林後の経過年数が長い場所ほど、多種多様な生物が確認されました。これはプロジェクトの開始以降、地域住民の意識が向上し、適切に森が管理されてきた証拠でもあります。


地表や土中の生き物の調査をしている様子


発見した個体は1つひとつ調べます


マングローブ林の近くで捕獲されたカニやロブスター

今後の活動予定

2019年から2022年までに、32ヘクタールの植林を実施する予定です。そのうち2019年度は、8ヘクタールの植林を予定しています。