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マングローブと生き物にはどんな関係(かんけい)があるの?

  • マングローブの葉は、貝類(かいるい)やカニなど周辺(しゅうへん)にすむ生きものたちの餌(えさ)になります。
    その生きものたちの排泄(はいせつ)物や水に落ちたマングローブの葉から、栄養分(えいようぶん)が水に溶(と)け出します。

  • 水中の栄養分が高くなると、植物プランクトンが増(ふ)え、動物プランクトンも増えます。
    そして、デトリタスと呼(よ)ばれるプランクトンの死骸(しがい)や細かく砕(くだ)けた生物の遺体(いたい)、生物由来の破片(はへん)、微生物(びせいぶつ)の遺体などが水中や土の上にたまります。

  • このデトリタスは、カニなどの小さな生きものの餌になります。さらに、動物プランクトンを食べる小魚、それらを食べる水鳥や大きな魚なども集まってきます。
    マングローブの根元にいるカニや貝類、魚を人間が食べたり売ったりします。
    マングローブのまわりで生き物は、食べたり食べられたり、ぐるぐる回っているのです。

生き物にとって大切なマングローブの役割

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    家畜(かちく)の飼料(しりょう)としての利用(りよう)

    雨の少ない地域では、家畜の餌になる牧草(ぼくそう)などを陸上(りくじょう)で確保(かくほ)することがむずかしいこともあります。
    海岸にしげる、栄養分の高いヒルギダマシの葉や若(わか)い枝(えだ)は、降雨量(こううりょう)が少ない地域において、ラクダ、水牛、ヤギなど家畜の貴重(きちょう)な飼料となっています。

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    魚付き林(うおつきりん)としての役割

    日本では魚類を集めその繁殖(はんしょく)や保護(ほご)を図る目的(もくてき)の林を「魚付き林」と呼びますが、熱帯(ねったい)・亜熱帯地域(あねったいちいき)の沿岸(えんがん)で魚付き林の役割を果(は)たしているのがマングローブ林です。
    マングローブ林が失(うしな)われ、マングローブが作り上げている生態系(せいたいけい)がこわれてしまうと、多くの海の生きものたちを育んでいた熱帯の沿岸域から、魚介類(ぎょかいるい)がいなくなってしまいます。
    人々の生活と身近な森林を「里山(さとやま)」と呼びますが、熱帯の沿岸地域に住む人々の日常生活(にちじょうせいかつ)と密接(みっせつ)に関わっているマングローブ林は、「海の里山」といえます。「海の里山」であるマングローブの再生(さいせい)と保全は、熱帯の沿岸に住む人々の生活も守ることにもつながります。

今回のまとめ

熱帯地域の沿岸域(えんがんいき)の食物連鎖の源として、マングローブが重要な役割を果たしているのです。