バングラデシュ
バングラデシュはベンガル湾に形成されたデルタ地帯にある国です。頻繁に発生する洪水、サイクロン、竜巻による森林破壊、土壌劣化、侵食被害に悩まされています。
マングローブ植林活動レポート
植林したマングローブの様子
バングラデシュでは、2011年度からNGO「オイスカ」がマングローブ植林活動を進めています。バングラデシュでは避けることができないサイクロンの災害被害を減らす対策として、マングローブ植林が現地自治体や住民から熱望されています。
- 2024年度の植林面積 36ヘクタール
- 累積植林面積 376ヘクタール
マングローブ植林活動状況
バングラデシュ南東部にあるコックスバザール県モヘシカリ郡ドルガット地区では、予定通り2024年9~11月に、35ヘクタールの植林地へマングローブを植えました。2025年春のモニタリング時には、悪天候にも負けずに、多くのマングローブの活着や成長が見られました。
モヘシカリ島のベンガル湾に面した沿岸部に位置するマタバリの植林地では、砂浜でも地盤を安定させる効果があるモクマオウを植えました。モクマオウの苗は、約30キロ離れた育苗場で育てられていたため、陸路と海路を使って植林地まで運搬しました。活動初日には、町の学生たちもボランティアに参加し、村人と一緒に1ヘクタールほどの植林地にマングローブを植えました。
ドルガットの植林地で、一列に並んでマングローブを植えている様子
2025年4月時点で、悪天候に負けずに育っているマングローブ
マタバリの植林活動には、地元の学生ボランティアも参加しました
植林地の様子
ドルガットは、海岸から集落まで1キロ余りと近く、海抜0~2メートルの低地が広がっています。また、マタバリ地区でもベンガル湾に続く砂浜の堤防に住居が並んでおり、サイクロンや高潮の被害を受けやすい状況です。そのため、どちらの地区でもマングローブ林を育てることが、住民の生活を守ることにつながると期待されています。
さらに、地域住民の多くは漁業と、乾期に行う海水からの塩づくりと、それらに関わる日雇い仕事に従事しています。地域住民の収入となる魚介類を供給する意味でも、マングローブ林は重要な役割を担っています。
2023年度に植えたモクマオウが2メートル以上に成長しました
マタバリ地区に植えたモクマオウが、砂の移動を防いでいます
2014年前後に植えられて、成長したマングローブ林を視察している様子
今後の活動予定
次年度も、ドルガットやマタバリで、マングローブを合計35ヘクタール植林する予定です。










