バングラデシュ

バングラデシュはベンガル湾に形成されたデルタ地帯にある国です。頻繁に発生する洪水、サイクロン、竜巻による森林破壊、土壌劣化、侵食被害に悩まされています。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

バングラデシュでは、2011年度からNGOオイスカがマングローブ植林活動を進め、10年目となりました。バングラデシュでは避けることができないサイクロンの災害被害を減らす対策として、マングローブ植林が現地自治体やそこに住む方々から熱望されています。

  • 2020年度の植林面積 33.5ヘクタール
  • 累積植林面積 235.1ヘクタール

マングローブ植林活動状況

新型コロナウイルスの感染防止のため、4月~7月は移動制限がかけられていましたが、9月からバングラデシュ南西部クルナ県で植林活動を実施しました。新しい植林地4カ所、33.5ヘクタールに、約14万9,000本のマングローブを植えました。

植林地Bajua Unionのマングローブの様子

植林地Biratchar Unionのマングローブの様子

植林地Kamerkholaのマングローブの様子

植林地の様子

2019年から植林を始めたクルナ県の植林地は、内陸部で塩分濃度が低く、潮流の速い川岸が多い環境です。こうした条件を踏まえ、森林局からのアドバイスも参考にしながら、樹種や植林地を選びました。

今年植えた樹種は、昨年も植えたサンドリ、塩分濃度が低くても育つと思われるオヒルギ、根付けば波にも強いヒルギダマシ、塩分濃度が低い内湾や川沿いを好むニッパヤシです。加えて、クルナにある世界最大のマングローブ天然林シュンドルボンで入手できた、Xylocarpus moluccensisという在来種の苗も植えました。

4カ所の新規植林地で植えたマングローブは、2020年度末の段階で約60%が生存しています。今後もマングローブの成長や生存率を観察しながら、クルナ県での適正樹種を見極めていきます。

植林地Katianangla Unionでの植林風景

植林地Kamerkhola Unionでの植林風景。植えているのはニッパヤシの種

植林地Bajua Unionでの植林風景