フィジー

フィジーは300余の火山島と珊瑚礁からなる共和国です。植林を行っているビティレブ島では、波や潮流による海岸侵食、サイクロンやハリケーンなどの被害を受けやすい場所です。

マングローブ植林活動レポート

植林したマングローブの様子

フィジーでは、2004年度よりNGOオイスカにより、マングローブ植林活動を進めています。植林地では波の力が強く、土壌の浸食や高波による被害が多いため、その被害を軽くすることが目的です。マングローブを植えた場所は、土砂が堆積して地盤が強くなっており、少しずつ災害への抵抗力が高まることが期待されます。

  • 2021年度の植林面積 0.8ヘクタール
  • 累積植林面積 79ヘクタール

マングローブ植林活動状況

ビティレブ島北東部にあるラ県のヴェイドゥララ村では、育苗活動を行ったのち、2021年8月に500本のマングローブを植林しました。海からの波が直接村へ押し寄せるのを少しでも回避するため、村の正面に植えるよう工夫しました。なお、過去にマングローブを植えたサイトでは、ほとんどの苗が活着し、よく育っています。

ビティレブ島東部にあるタイレブ県のマタイノコ村では、気候変動対策プログラムの1つとして、1,000本のマングローブを植えました。この活動には、青年スポーツ省大臣が参加したほか、村の若者グループ32人も積極的に参加してくれました。

また、新たにビティレブ島北西部にあるバ県のコロボウ村でも、カウンターパートである青年スポーツ省と連携して植林イベントを実施し、青年スポーツ省大臣・県政府・村長などの要人のほか、42人の若者が参加して3,400本のマングローブを植えました。

ヴェイドゥララ村での植林活動の様子

ラ県ナブニイヴィ村に設けたマングローブ育苗場

マタイノコ村での植林活動の様子

植林地の様子

ラ県のサイオコ村では、マングローブ植林活動が開始してから15年以上が経過しました。今や森となったマングローブが、高波や強風による被害を減らし、村を守ってくれていることを住民たちは実感しています。特に、2016年大型サイクロンが襲来したときも、被害を最小限に食い止めることができました。これは、同じラ県のナブニイヴィ村でも同様の話を聞くことができます。このことは、マングローブの貢献を周辺の村へ伝える、良い事例となっているようです。

ラ県のナオゾバウ村では、継続して珊瑚礁の保全活動や、大シャコガイの保護・養殖を行っています。いずれも住民の主体的な参加によって実施している活動です。かつて植林したマングローブも順調に成長しています。

サイオコ村で17年前に植えたマングローブの森

ナオゾバウ村で保全している珊瑚の様子

珊瑚片を育苗している様子