フィリピン
フィリピン・ルソン島は、外洋に面していて巨大な波と高潮の影響を受けやすい地形です。植林地ホセ・パンガニバンでは、かつて金・銅・鉄などの鉱山により栄えましたが、岩盤採掘により、川や沿岸の海に汚染土壌が流出、蓄積し環境に悪影響を与えています。土壌流出や自然災害による被害から人々とその生活を守る意味で重要なプロジェクトです。
マングローブ植林活動レポート
植林したマングローブの様子
フィリピンでは、1999年よりNGOオイスカが中心となり、マングローブ植林活動を実施しています。高潮などの自然災害から人々を守ることを目的としています。
- 2020年度の植林面積 17ヘクタール
- 累積植林面積 986ヘクタール
マングローブ植林活動状況
コロナ禍で活動が制限される中、ルソン島東部のラモン湾にあるカグバレット島で、17ヘクタールの植林地にマングローブを植えました。樹種は、前年度に採取した自生苗を苗床で育成していたヒルギダマシ、現地の住民組織SDFAが胎生種子を採取していたフタバナヒルギとヤエヤマヒルギです。
また、台風やフジツボの影響で浸食された植林地に対して、11,815本のマングローブを補植しました。
植林地の様子
DENR(天然環境資源省)と協力し、昨年度マングローブを植えた3つの植林地で、合同モニタリング評価を実施しました。そのうち2つの植林地はDENRが実施する国家緑化計画から引き継いだもので、総面積はおよそ200ヘクタールあります。
この活動の目的は、2013~2014年にマングローブを植えたものの、うまく育たなかった場所に再度植林することです。この活動は現在も進行中です。さらなる活動推進のため、DENRのオフィサーと現地の住民組織SDFAのメンバーを招き、プロジェクトの進捗状況や他の植林地でも生かせるノウハウを共有しました。
SDFAはすでに、新しい植林地31ヘクタールでフタバナヒルギ、オオバヒルギ、ヒルギダマシ、ヤエヤマヒルギという樹種のマングローブを植えています。その活着率は85%を維持していて、いくつか枯死してしまった苗木は補植も行いました。彼らは、植林地で苗木の成長を阻害するゴミ除去やパトロールも実施しています。