タイ
タイでは、第2次世界大戦後、スズの採掘、エビの養殖場や船着場の造成、炭作りなどの開発により天然のマングローブ林が伐採されてきましたが、ラノーン県ではこれまでの植林活動により大きなマングローブ林が広がっています。
マングローブ植林活動レポート
植林したマングローブの様子
タイでは、1999年よりNGO「オイスカ」がラノーン県のマングローブ資源開発局の協力を得て、地元住民のみなさんの参加に重点を置いたマングローブの植林活動を実施しています。住民のみなさんはマングローブ林についての理解を深め、その大切さを実感し、多くの人が自主的に植林、補植の活動に参加するようになってきました。今後は保全活動の一環として、植林地のマングローブの種類や樹高、生物多様性などについて調査することにも力を入れていくことにしています。
- 2023年度の植林面積 0ヘクタール
- 累積植林面積 1,158ヘクタール
マングローブ植林活動状況
2023年度は新たにマングローブを植える活動は行わず、住民グループによる過去の植林地でのマングローブ管理作業を中心に実施しました。管理作業を担当したのは、タイ南部ラノーン県ムアン郡ンガオ村の住民グループと、バーングリン村の住民グループです。

流されたり枯れたりした苗を補植している様子

植えた苗木に注意しながら、生い茂った下草を刈っている様子

補植用の苗を運んでいる様子
植林地の様子
1999年から実施されているこのプロジェクトでは、これまでに1,121ヘクタール以上のマングローブ林を再生しました。各植林地の生物多様性が向上し、住民の収入も増加しています。地域からの協力も強化され、環境だけではなく経済や社会にも良い影響をもたらしています。
特に海岸地域では、豊かなマングローブ林があるおかげで災害から守られ、地域の安全性が保たれています。また、植林地がラノーンの生物保護圏の中にあるため、このプロジェクトはラノーン生物保護圏を支える重要な役割も果たしています。

マングローブの生態系サービスについて行った会議の様子

マングローブツーリズムの一環であるエコ観光ツアー体験の様子

住民がマングローブ林を活用することに関しての調査活動の様子
今後の活動予定
次年度は、ラノーン県ムアン郡タムボン・バーングリンなどの植林地6ヘクタールで、マングローブの植林活動を実施する予定です。