タイ
タイでは、第2次世界大戦後、スズの採掘、エビの養殖場や船着場の造成、炭作りなどの開発により天然のマングローブ林が伐採されてきましたが、ラノーン県ではこれまでの植林活動により大きなマングローブ林が広がっています。
マングローブ植林活動レポート
植林したマングローブの様子
タイでは、1999年よりNGOオイスカがラノーン県のマングローブ資源開発局の協力を得て、地元住民のみなさんの参加に重点を置いたマングローブの植林活動を実施しています。住民のみなさんはマングローブ林についての理解を深め、その大切さを実感し、多くの人が自主的に植林、補植の活動に参加するようになってきました。今後は保全活動の一環として、植林地のマングローブの種類や樹高、生物多様性などについて調査することにも力を入れていくことにしています。
- 2020年度の植林面積 8ヘクタール
- 累積植林面積 1,142ヘクタール
マングローブ植林活動状況
タイ南部のラノーン県では、幸いにも新型コロナウイルスの感染者が出ず、支障なく計画通りに植林活動を進められました。2020年度は、8ヘクタールの植林地に、35,000本のヤエヤマヒルギを植えました。
この植林地は、以前宅地開発のため違法に森が伐採された場所で、これまで広大な荒野として取り残されていました。今年はこの場所で、2回の植林イベントが実施されました。5月10日のマングローブの日には、ラノーン県副知事を含む約150人が、6月5日の環境DAYには約70名が、それぞれ参加しました。
植林地の様子
ラノーン県での植林プロジェクトは1999年から20年以上継続していて、劣化していた多くのマングローブ林が再生し、豊かな森になりました。現在、マングローブの森では生物多様性が見られ、地域の環境・経済・社会に恩恵を与えています。さらに、現地の人たちに仕事を与え、収入の向上による生活の安定をもたらしていることは、大きな効果の1つと言えます。
特に植林プロジェクトの活動を通じて、マングローブの森を再生して保護していくという認識が、住民のあいだに広がりました。意識が向上したことで、政府機関や民間団体、生徒たちや地域住民など、多くの団体や一般人がラノーン県のマングローブ植林活動に参加してくれるようになりました。