バングラデシュ

バングラデシュはベンガル湾に形成されたデルタ地帯にある国です。頻繁に発生する洪水、サイクロン、竜巻による森林破壊、土壌劣化、侵食被害に悩まされています。

マングローブ植林活動レポート

バングラデシュでは、2011年度からNGOオイスカがマングローブ植林活動を進め、9年目となりました。バングラデシュでは避けることができないサイクロンの災害被害を減らす対策として、マングローブ植林が現地自治体やそこに住む方々から熱望されています。

  • 2019年度の植林面積 23.6ヘクタール
  • 累積植林面積 201.6ヘクタール

マングローブ植林活動状況

2019年度から、バングラデシュ南西部クルナ県での植林活動を開始し、ルプシャ川および支流の河岸にある23.6ヘクタールの植林地に、サンドリとオヒルギを合わせて10万8800本植えました。また、この植林活動は、現地NPOであるRUPSAと連携して実施しました。

植林したサンドリ

オヒルギ植林の様子

植林直後のオヒルギ

植林地の様子

はじめに、この地域で多く見られるサンドリの苗を植えましたが、うまく育たない苗が見られました。そこで、政府傘下の森林研究所などにも相談して、樹種をオヒルギに変更しました。オヒルギはこの地域の土壌や塩分濃度が合っているようで、順調に生育しています。また、サンドリについても11月末時点での生存率は約74%と、流れの速い河岸での植林であるにもかかわらず、多くのマングローブが成長を始めています。

マングローブを植えた後の植林地は、周辺住民が漁などで誤って苗を破壊しないよう、周囲に網や赤旗を立てて知らせています。地方政府も、周辺住民の植林地周辺での生産活動を禁止するなど、マングローブによる防災・減災効果に期待を寄せています。

植林後数週間で芽を出したオヒルギ

植林後の河岸の様子

周辺住民に植林地であることを示す赤旗