インドネシア
1万7,500を超える島々から成るインドネシアにおいては、海岸線の浸食を受けやすいジャワ島北部の沿岸部で植林活動を行っています。これまでの植林活動により、マングローブの林は広がっています。今後は育ててきたマングローブを村人たちが守り育てていく保全活動にも力を入れていきます。
マングローブ植林活動レポート
インドネシアでは1999年よりNGOオイスカが地元の自治体や住民のみなさんと連携しながらマングローブ植林活動を進めてきました。劣化するマングローブ林を再生し、海岸浸食から人々の生活を守ることを主な目的としています。
- 2019年度の植林面積 40ヘクタール
- 累積植林面積 3,129ヘクタール
マングローブ植林活動状況
2019年度の活動は7つの地域で実施しました。ジャワ島の西ジャワ州にあるインドラマユでは、2019年8月に6ヘクタールの植林地へヤエヤマヒルギを植林しました。2019年9月末時点で約90%の生存率となっています。
ジャワ島の北東にあるマドゥラ島のパメカサンでは、ヤエヤマヒルギの胎生種子を補植しました。また、この活動にはNGOオイスカが進める「子供の森」計画に参加している学校の生徒や大学生などが参加しました。
また、保全活動として、中部ジャワ州のダマックでは海岸浸食を軽減するため、約112メートルの堤防を建設しました。同じく中部ジャワ州のパティでは、エコツーリズム活性化のため、マングローブの森の中を通す歩道を建設しました。
植林地の様子
インドネシアは4月から乾季となり、2019年は特に厳しい乾季となりましたが、昨年植林したマングローブの苗木には大きな影響がありませんでした。
中部ジャワ州のブレベスでは、長きにわたる植林活動によってマングローブの森の密度が高くなりました。それに伴ってさまざまな動植物が森に棲むようになり、理想的な生態系ができあがりつつあります。この地域では、伝統的に漁師は外洋ではなく沿岸で、エビや海辺の魚などを捕獲してきましたが、マングローブの森のおかげで、沿岸に棲む魚介類が増加し、漁師たちに大きなインパクトを与えました。
また、各地域の植林地はマングローブの観光スポットとなり、観光事業が盛んになってきました。こうしたマングローブ観光については、商業面のメリット以外にも、沿岸に住んでいない住民にマングローブの大切さを教えることができ、沿岸の住民にマングローブ保全行動の重要性を伝えられる、というメリットがあります。