マレーシア

マレーシアのボルネオ島サバ州では、国全体の50%弱に相当する面積のマングローブ天然林が分布しており、このうち約93%は保護林に指定されています。

マングローブ植林活動レポート

マレーシアでは、2011年からNGO「国際マングローブ生態系協会(ISME)」が、サバ州森林局の協力を得ながら、植林事業を進めています。1990年代にタンニン採取や薪炭材の利用、油ヤシの植栽のために天然のマングローブ林が不法伐採されたため、荒廃したマングローブ林を再生することを目的に植林活動を実施しています。絶滅が危惧されるテングザルなどの野生生物を保護したり、生物多様性を保全したりする観点からも重要な活動です。

  • 2019年度の植林面積 11ヘクタール
  • 累積植林面積 363ヘクタール

マングローブ植林活動状況

2019年度は、サバ州にある3つの植林地、合わせて11ヘクタールにマングローブを植えました。

これまで新しい植林地はサバ州の西海岸から選出していましたが、はじめて東海岸のSempornaという場所に植林候補地を確保しました。今年はウラジロヒルギダマシ、フタバナヒルギ、オオバヒルギの試験植林を行いました。

Sulaman Lakeでは、サバ州の都市計画グループのボランティアとともに、フタバナヒルギとタカオコヒルギを植えました。また、8月には東京海上日動のボランティアと、Sulaman Lake とSg. WestonのISME島の2カ所で、フタバナヒルギを植えました。

植林前準備の下草取りの様子

フタバナヒルギのポット苗

東京海上日動のボランティア

植林地の様子

サバ州森林局では、小型無人航空機(ドローン)を購入しました。生育が進み中に入ることが困難になってきている植林地の調査などに活用しています。

また、2015年にコーヒーを飲みながら気軽に読める本として「Rehabilitation of Mangroves in Sabah-The SFD-ISME Collaboration (2011-2014)」を刊行しましたが、2020年1月に、その続編となる新作「Rehabilitation of Mangroves in Sabah-The SFD-ISME Collaboration (2014-2019)」を刊行しました。

2012年に植林したマングローブ林の様子

2012年に植林した植林地のドローン写真

「Rehabilitation of Mangroves in Sabah-The SFD-ISME Collaboration (2014-2019)」の書影