フィリピン

フィリピン・ルソン島は、外洋に面していて巨大な波と高潮の影響を受けやすい地形です。植林地ホセ・パンガニバンでは、かつて金・銅・鉄などの鉱山により栄えましたが、岩盤採掘により、川や沿岸の海に汚染土壌が流出、蓄積し環境に悪影響を与えています。土壌流出や自然災害による被害から人々とその生活を守る意味で重要なプロジェクトです。

マングローブ植林活動レポート

フィリピンでは、1999年よりNGOオイスカが中心となり、マングローブ植林活動を実施しています。高潮などの自然災害から人々を守ることを目的としています。

  • 2019年度の植林面積 14ヘクタール
  • 累積植林面積 969ヘクタール

マングローブ植林活動状況

2019年度は、活動エリアをルソン島の東にあるラモン湾に浮かぶカグバレット島に移し、40ヘクタールの植林地にヤエヤマヒルギを植えました。カグバレット島での植林活動は、NGOオイスカとフィリピン天然環境資源省のパグビラオ地域事務所、そして住民組織SDFAの三者で連携して、5年で200ヘクタールの植林を目指して活動を進めていきます。

質の良い胎生種子を収穫し選別している様子

目印のナイロンロープに沿って、1.5メートル間隔で植林します

ヤエヤマヒルギ植林後の様子

植林地の様子

かつてカグバレット島には多くのマングローブがありましたが、建築資材や薪として使用するために伐採されたり、養殖池を作るために除かれたりしました。そして、マングローブが減少するにつれ、台風などの高波・高潮被害は拡大し、魚介類は減少していったのです。そこで、天然環境資源省(DENR)が政府予算でマングローブを植林しましたが、うまくいきませんでした。オイスカには、これまでのマングローブ植林活動で得た知見を活かした、プロジェクトの遂行が期待されています。

実際の植林活動に先駆けてSDFAのメンバー向けに、プロジェクトの活動内容や過去の実績などを伝える啓発セミナーを行いました。また、活動の拠点となる簡易なプロジェクトハウスを建設しました。

SDFAのメンバーに向けた啓発セミナーの様子

活動の拠点となるプロジェクトハウス

プロジェクトハウス脇で育苗を開始した、ヒルギダマシの野生苗