関連情報 用語集
船舶の保険に関する用語
保険契約者・被保険者
- (1)保険契約者
保険契約者は保険契約の当事者として保険会社に対し各種の義務、即ち、保険料支払義務、告知義務、通知義務、損害防止義務を負担していただきます。従って船舶保険では原則として船舶を現実に運航管理する者が保険契約者となります。例えば船舶が所有者の手を離れ裸用船に出される場合は、裸用船者が保険契約者となります。
- (2)被保険者
保険事故が発生したときに保険金の支払いを受けることができる方をいいます。通常船舶所有者が被保険者となります。
なお、被保険者も上記保険契約者同様、告知義務、通知義務、損害防止義務の各種義務をご負担いただくことになります。
建造年・総屯数
建造年とは、本船の「船舶国籍証書」に記載されている「進水年」をいいます。
総屯数とは「船舶国籍証書」記載の総屯数です。なお、国際航海に従事する船舶については、国際総屯数となります。
非自航船については、本船の寸法(長さ・幅・深さ)から算出した換算屯数となります。
航路定限
航路定限とは、保険の対象(目的物)である船舶の保険上の航行可能区域です。(外航船舶用、内航船舶用)
船舶普通期間保険に関しては、外航船については「世界水域」、内航船・作業船等については「日本全沿岸」を航路定限として設定することが一般的です。
なお、
- (1)切迫した危険の回避のため
- (2)人命救助または船上にある者の医療のため
のいずれかの場合を除き、船舶が証券記載の航路定限の外に出る場合には、あらかじめ取扱代理店または東京海上日動までご通知ください。
保険期間
保険期間とは保険のご契約期間(保険会社の責任の始期から終期まで)のことです。船舶保険では期間建と航海建の2通りの引受方法があります。「期間保険」は、一定の期間(通常1か年)を基準として保険期間を定めます。船舶保険の大宗を占める船舶普通期間保険はこれにあたります。「航海保険」は特定航海中の危険を担保します。この場合、保険会社の責任は発航港において発航のため係留索を解き始めた時またはいかりを揚げ始めた時のいずれか早い時に始まり、到達港においていかりを降ろし終わった時または係留索をつなぎ終わった時のいずれか早い時から24時間を経過した時(ただし、24時間以内であっても他の航海のため積荷の積込みその他発航の準備に着手した場合にはその時)に終わることになっています。
保険の目的
船舶普通期間保険の場合、保険証券上の「保険の目的」欄は「船舶」と記載されるのが通常です。保険の目的としての「船舶」には船体、機関、属具、備品に限らず、船主が所有または賃借し、かつ、船舶の運航のため船舶内に積込んでいる燃料、食料、その他の消耗品等が含まれます。
このほか船主責任保険等の責任保険では「船主責任」、船舶不稼働損失保険等の費用保険については「定期用船料」、「船舶経常費」等が保険の目的となります。
補償の範囲(保険金をお支払いする主な場合)
船舶保険では保険会社は船舶普通保険約款の規定と保険の種類によって、それぞれ異なる特別約款と特別条項の規定に従って保険金をお支払いします。
保険価額・保険制限金額・保険金額
- (1)保険価額
保険価額とは、被保険利益の価額(船舶の価額)のことをいいます。損害保険では次の2つの方法のいずれかにより保険価額を決定します。
- A.保険事故発生時における現実の価額(時価)とする − 評価未済保険方式
- B.保険契約の当事者がお互いの合意によって協定する価額とする−評価済保険方式
船舶保険では、B.の評価済保険方式によりご契約いただいておりますので、次のような価格を総合的にご勘案のうえ、適正な保険価額を東京海上日動と協定していただくことになります。
- (a)売買(市場)価格
- (b)再建造価格
- (c)帳簿価格
- (d)残債額
- A.
- (2)保険制限金額
保険制限金額とは保険価額のうち、保険に付けることができる保険金額の最高額のことであり、通常は保険価額と同一になります。
- (3)保険金額
保険金額は、保険会社が1回の事故についてお支払いする保険金の最高限度を示す金額です。通常、保険金額は保険価額と同じです(この場合を「全部保険」といいます。)が、保険価額以下とすることもできます。これを「一部保険」といい、保険金は、損害額に保険金額の保険価額に対する割合を乗じて、お支払いすることになります。したがって、「一部保険」の場合にお支払いする保険金は損害額の一部となります。
なお、保険金額は1回毎の海難事故について東京海上日動がお支払いする最高限度ですが、衝突損害賠償金および所定の条件を充足する損害防止費用や訴訟費用・仲裁費用については、船舶についての保険金とは別枠でそれぞれ保険金額までお支払いします。ご希望により、外貨建で保険価額(保険金額)を設定することも可能です。この場合、外国為替相場の変動により、保険金お支払い時の邦貨換算額は、ご契約時の保険価額(保険金額)の邦貨換算額を下回ることがありますのでご注意ください。
料率・保険料
- (1)保険料率
保険料率は、主に次のような要素を総合的に勘案して算出されます。
- a.船舶の総屯数・船質・船令
- b.船舶の種類・用途
- c.航路定限
- d.保険価額
- e.補償の範囲
- f.契約者の過去の保険成績
- g.その他(乗組員の船員資格等)
これらの諸要素は個々の船舶、契約者により差異がありますので同種同型の船舶でも保険料率に高低の差が生じます。
- a.
- (2)保険料
保険料は保険金額に保険料率を乗じて計算されます。保険料のお支払いは、保険契約者が、そのご契約に適用されている特別条項に従い、定められた期日までに全額一括してお支払いいただく(一回払)のが原則ですが、分割払による保険料の支払方法をお選びいただくことも可能です。