船舶戦争保険
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戦争、海賊、テロにも万全の備え
商品のポイント
- 普通期間保険では補償されない「戦争」「ストライキ」「テロリスト」などによって生じた損害を補償。
- 普通期間保険と併せてご契約いただくことで、船舶損害のより一層の備えに。
商品概要
船舶普通期間保険等の場合、危険の予測が著しく困難な戦争、軍事的行動、水雷その他の爆発物等との接触、襲撃、捕獲、内乱あるいは労働争議等の危険については免責としています。船舶普通期間保険等の海上保険とは別証券にて、これらの危険による損害について保険金をお支払いするのが「船舶戦争保険」です。
また、さまざまな戦争危険のうち、水雷の爆発またはこれらとの接触の危険による損害のみを保険金のお支払いの対象とする保険が「船舶水雷保険」です。戦争保険と同様に、海上保険とは別証券にてお引受けします。
船舶戦争保険・船舶水雷保険は被保険利益により大きく3つに分けることができます。
- (1)船舶自体に対する戦争保険
- (2)費用・収益に対する戦争保険
- (3)船主責任に関する戦争保険
(1)はミサイルを被弾したり、機雷に触雷する等「戦争危険」によって船舶に生じた損害等について保険金をお支払いする保険です。具体的には、全損、修繕費、共同海損分担額、衝突損害賠償金、損害防止費用について保険金をお支払いします。
(2)は本船が「戦争危険」によって稼働不能の状態となり、収入が途絶した場合において、本船が稼働能力を回復するまでの得べかりし用船料、支出せざるを得なかった経常費用等について保険金をお支払いする保険です。これには、本船の物的損傷に起因する不稼働損失に対して保険金をお支払いする条件(船舶不稼働損失戦争保険)の他に、封鎖危険による損失についても保険金をお支払いする条件(Blocking and Trapping(LOH/LOT)保険)もあります。
(3)は乗組員に対する賠償責任を除く船主責任全般に対する戦争保険(War P&I保険)と乗組員に対する船主責任の戦争保険(War Crew Liability保険)がありますが、いずれも(1)の船舶自体に対する戦争保険に付帯してお引受けします。
対象 | 引受条件(使用される約款) |
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船舶 | 船舶戦争保険特別約款 Institute War and Strikes Clauses Hulls ‒ Time |
費用・収益 | 船舶不稼働損失戦争保険特別約款 |
Blocking and Trapping etc. Wording(Loss of Hire/Loss of Time) | |
船主責任 | 船舶戦争保険特別約款 第2条(1)War Risks Protection and Indemnity Clauses(Hulls) |
船舶戦争保険特別約款 第2条(2)War Risks Protection and Indemnity Clauses(Crew Liability) |
- 航路定限(「一般世界水域」・「除外水域」)
- 外航船に適用される航路定限は、平時の状態であるとされる「一般世界水域」と、戦争危険度の高い「除外水域」に分けられており、除外水域は航路定限から除外されています。保険料も前者は期間建(3か月、6か月、9か月、1か年)の基本料率を適用した保険料を、後者は航海の都度その除外水域の危険度に応じた航海建の割増保険料をお支払いいただくことにより保険金のお支払いの対象となります。除外水域は情勢に応じて都度変更されます。最新の除外水域につきましては、「除外水域のご案内(War Risk Listed Areas)」をご参照ください。
- 割増保険料と「Call」・「Stay」
- 紛争地域の戦争危険は日々変動するため、除外水域航行にあたっては航行スケジュールに基づき、その時々の情勢に応じた割増保険料を都度ご提示申し上げます。その際、割増保険料はその提示から一定時間内(通常48時間)に水域に入ることを条件とし、かつ、当該水域内での滞泊制限日数(通常7日または14日)が設けられます。この割増保険料の提示から水域に入るまでの制限時間を「Call ××時間」、水域内での滞泊制限日数を「Stay ××日」と表します。滞泊が当初の制限日数を超過する場合には、新たな割増保険料の提示を受けることが必要となります。
- 保険契約の「解除」と「自動終了」
- 大規模な戦争が発生した場合、船舶の被る損害が巨額のものになる可能性が高まり、その損害の規模・累積により民間保険会社が商業的に戦争保険のお引受けを継続することが困難になる可能性があります。そのような不測の事態を想定し、船舶戦争保険および船舶水雷保険には保険契約の「解除」と「自動終了」といった特別な規定を設けておりますのでご注意ください。
「解除」については、保険期間の中途において当初予測しなかったような事態が発生した場合、7日前(英国、アメリカ合衆国、フランス共和国、ロシア連邦および中華人民共和国のうちいずれかが関与する事態を理由とする場合は72時間前)の書面予告をもって東京海上日動から契約の解除を行うことができる、と規定されています。ただし、保険料率・航路定限等の契約条件の変更についてご契約者と合意が成立した場合には、引続きご契約は存続することになります。
「自動終了」の規定は、解除予告の有無に関わらず、英国、アメリカ合衆国、フランス共和国、ロシア連邦、中華人民共和国のいずれかの間の戦争、または、日本または外国の公権力による本船の強制使用のいずれかが発生した場合、保険契約は自動的に終了するとしています。
補償内容
船舶戦争保険の補償内容、お支払いの対象となる損害等をご紹介します。
保険金をお支払いする主な場合
船舶戦争保険では次のいずれかの事由によって被保険船舶に生じた損害に対して保険金をお支払いします。
- (1)戦争、内乱その他の変乱
- (2)水雷、爆弾その他爆発物として使用される兵器の爆発またはこれらの物との接触。ただし、核兵器の爆発を除きます。
- (3)公権力によるものであると否とを問わず、拿(だ)捕、捕獲、抑留、押収または没収
- (4)海賊行為または強盗(適用約款によっては保険金のお支払い対象外となります。)
- (5)ストライキ、ロックアウトその他の争議行為または争議行為参加者のそれに付随する行為
- (6)テロリストその他政治的動機または害意をもって行動する者の行為
- (7)暴動、政治的または社会的騒擾(じょう)、その他類似の事態
- ※保険証券に「封鎖危険担保特別条項」が記載された船舶については、港、運河、湾その他の水域が戦争、内乱その他の変乱または国防行為により封鎖された結果、被保険船舶がその水域内に継続して12か月間閉じ込められ、かつ、その間に使用および処分の自由が失われた場合においては、「被保険船舶が抑留され継続して12か月間解放されなかった」とみなして、保険証券記載の約款・条項に従い、全損として保険金の支払を請求することができます。なお、閉じ込められた場合とは、水域内にある船舶と同型または同喫水のすべての船舶が同水域の外に航行することができない場合をいいます。
保険金をお支払いできない主な場合
- (1)ご契約者、被保険者または保険金を受け取るべき者もしくはこれらの者の代理人の故意または重大な過失。ただし、重大な過失により損害が生じた場合において、被保険者が損害賠償責任を負担したことによって被る損害を除きます。
- (2)日本国または被保険船舶の所有者が属している国もしくは被保険船舶が登録されている国の公権力による拿(だ)捕、捕獲、抑留、押収または没収
- (3)日本国または外国の公権力による強制使用、強制買上または検疫、貿易もしくは関税に関する法令に基づく処分
- (4)英国、アメリカ合衆国、フランス共和国、ロシア連邦および中華人民共和国のうちいずれかの間の戦争(宣戦の前後、有無を問いません。)の発生
- (5)盗難(保険金をお支払いする主な場合(1)および(3)~(7)のいずれかに該当する事由によって生じた盗難を除きます。)
- (6)被保険船舶が日本国もしくは外国の法令または条約に違反する漁業(漁場からの漁獲物またはその製品の運搬を含みます。)に従事し、もしくは従事しようとしたこと、またはその事実がいかなるものであるかにかかわらずそれらの容疑に問われること。
- (7)日本国の公権力の命令に違反して航行した場合には、その時以後に生じた損害に対しては、保険金をお支払いできません。
等
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自動的に付帯される特別条項の規定
- (1)保険のお引受けや保険金のお支払い等を行うことにより保険会社が国際連合決議、欧州連合、日本国、英国もしくはアメリカ合衆国の定める制裁、禁止、制限等を受ける可能性がある場合(制裁等に関する特別条項)
- (2)電子機器類の日付認識問題にかかわる欠陥による損害(電子機器類の日付認識問題に関する特別条項)
- (3)船舶がイランから原油、石油製品、石油化学製品または天然ガスその他のガス状炭化水素を輸送する目的で使用された場合(イラン原油等輸送禁止特別条項)
- (4)直接または間接であることを問わず、コンピュータ、ソフトウェアプログラム、コンピュータウイルス等が、危害を加える手段として使用または操作された場合。ただし、兵器もしくはミサイルの発射・誘導システムおよび発射メカニズムにおけるコンピュータ、ソフトウェアプログラム等の使用に起因する損害を除きます。(サイバーリスクの取扱いに関する特別条項(B))
等
ご契約のお手続きについて
船舶保険のご契約の手続きに関するご案内はこちらよりご確認ください。
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こちらに掲載のご説明は、船舶戦争保険の概要を記載したものです。ご契約にあたっては、必ず「重要事項説明書」をよくお読みください。保険金のお支払い条件、ご契約手続き、その他この保険の詳しい内容は、船舶保険のパンフレット(資料請求はこちら)および保険約款をご確認ください。詳細は、保険約款によりますが、ご不明な点がありましたら東京海上日動までお問い合わせください。
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